労働時間・休憩・休日の適用除外者

法41条、則34条


 次のいずれかに該当する者には、第4章労働時間休憩休日及び年次有給休暇第6章年少者及び第6章の2妊産婦等で定める労働時間休憩及び休日に関する規定は、適用されない

  1.  別表第1第6号(林業除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者(=農業又は水産・畜産業の事業に従事する者)
  2.  事業の種類にかかわらず監督若しくは管理地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
  3.  監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁所轄労働基準監督署長)の許可を受けたもの

 

 

法41条は、一定の労働者について

労働時間・休憩・休日の規制(第4章など)を適用しない
という例外規定です。

対象は3類型:

  1. 農業・畜産・水産業従事者

  2. 管理監督者・機密事務取扱者

  3. 監視又は断続的労働従事者(※許可が必要)

農業または水産・畜産業の事業に従事する者(法41条1号)

 

「林業に従事する者」は、他の農業や水産業とは異なり、法41条該当者とはなりません。
これは、作業が比較的計画的であり、他の自然条件に左右される度合いが低いと判断されるためです。

 

農業従事者は所定労働時間が週48時間でもいいの?

 

結論から言うと、農業従事者は「週48時間でもいい」というより、そもそも週40時間規制自体が原則として適用されません。

つまり、法律上は

  • 週40時間以内という上限がない

  • 36協定も不要

という扱いです。

1. 農業は労働時間規制の適用除外

 

労働基準法41条により、農業・畜産業・養蚕業・水産業の労働者については、次の規定が適用されません。

  • 労働時間(1日8時間・週40時間)

  • 休憩

  • 休日

これは、農業が天候や季節など自然条件に左右され、固定的な労働時間制度がなじまないためです。

 

そのため、農業では

  • 1日8時間超

  • 週40時間超

  • 36協定なしの長時間労働

でも、労基法違反にはなりません。

 

2. したがって「週48時間」は普通に設定可能

農業の場合は、たとえば

  • 週48時間

  • 週60時間

  • 繁忙期にそれ以上

という所定労働時間の設定自体は可能です。

つまり質問の答えとしては「週48時間でもいい」というより、そもそも40時間規制がないので可能という整理になります。

 

 

 

 

3. ただし重要な例外(外国人関係)

実務上はここが重要です。

農業でも外国人技能実習生などの場合は

  • 原則の労働時間制度(週40時間)

  • 残業割増

  • 36協定

が適用されます。

つまり

労働者 労働時間規制
日本人の農業労働者 40時間規制なし
技能実習生 40時間規制あり

という違いがあります。

監督または管理の地位にある者(法41条2号)

 

労働基準法41条2号の「監督または管理の地位にある者(管理監督者)」とは、会社の経営者と一体的な立場で労務管理を行う者をいいます。

そのため、管理監督者には、労働時間・休憩・休日に関する規定(労基法第4章)が適用されません。

 

※ただし、深夜労働(午後10時~午前5時)の割増賃金(25%以上)は適用されます。「管理監督者だから残業代は一切不要」というわけではありません。

 

「事業の種類」とは法別表第1での区分をいいます。

法41条に該当する場合たとえ当該労働者が満60歳以上のであっても労働時間休憩及び休日に関する規定は適用されません

宿日直勤務(法41条3号)

「監視又は断続的労働」とは

  • 常時忙しいわけではない

  • 手待ち時間・待機時間が多い

  • 労働密度が低い仕事

 

例:

  • 守衛

  • 宿直・日直

  • 設備監視員 など

こういう仕事は通常の労働時間規制をそのまま当てると不合理なので 例外的に規制を外す余地がある

 


 

ただし「許可」が必須

ここが最重要ポイントです。

41条3号は
自動的に適用除外になるわけではない

 

次の条件が必要:

  • 使用者が

  • 所轄労働基準監督署長の許可を取得

これがないと適用除外にならない


 

施行規則23条の位置づけ

施行規則23条は:

宿直・日直などの断続的業務について 様式第10号で許可を受ければ 労働時間規制(法32条)にかかわらず使用できる

つまり:

  • 「どうやって許可を取るか」

  • 「許可を取ったらどうなるか」

を具体化した条文

 


 

 

まとめ

  • 監視・断続的労働は
      許可があって初めて適用除外

  • 許可の根拠・手続
      施行規則23条

  • 規制除外される内容
      労働時間(法32条など)

 


一言でいうと

「断続的労働=自動で例外」ではない 「監督署長の許可」が核心

 

 

(昭和23年1月13日基発33号)

断続的労働」の一態様として「宿直または日直の勤務で断続的な業務」があり、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合は、その宿直または日直の勤務については、法第4章、法第6章及び法第6章の2で定める労働時間休日及び休憩に関する規定は適用されない

 

(昭和63年3月14日基発150号)

  • 宿直または日直の勤務で断続的な業務としての許可は、常態としてほとんど労働をする必要のない勤務のみを認めるものであり、定時的巡視緊急の文書または電話の収受非常事態に備えての待機などを目的とするものに限って許可することとされている。
  •  労働基準監督署長の許可を受けて行っている宿直勤務時間中に、特別の必要が生じたため当該宿直勤務者に通常の業務を行わせたときは、宿直手当のほかに、その通常の業務を行わせた時間に対しては、労働基準法上の時間外労働として所定の割増賃金を支払わなければならない
  •  宿直または日直の勤務で断続的な業務について許可を受けようとする場合には、宿直または日直勤務1回についての宿直手当または日直手当の最低額、原則として、当該事業場において宿直または日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者に対して支払われている賃金(法37条の割増賃金の基礎となる賃金に限る)の1人1日平均額の「3分の1を下回らないものでなければならない。

管理監督者性

 

「部長だから管理監督者」とは限らない

管理監督者であるかどうかは、役職名ではなく実態で判断されます。

例えば、

  • 部長
  • 店長
  • 工場長
  • マネージャー

という肩書があっても、それだけで管理監督者になるわけではありません。

反対に、役職名がなくても、実態として経営者と一体的な立場にあれば管理監督者となる可能性があります。


判断基準は4つ

昭和63年の通達では、次の4つを総合的に判断するとされています。

 

① 職務内容

経営に近い重要な仕事を担当しているか。

例えば、

  • 人事・労務管理
  • 店舗・部署全体の運営
  • 経営判断への参画

などを担当しているかが重要です。


② 責任と権限

人事に関する実質的な権限があるか。

例えば、

  • 採用を決定できる
  • 解雇に関与できる
  • 人事考課を行える
  • シフトや残業命令を決定できる

などの権限を持っているかが判断されます。


③ 勤務態様

勤務時間を自分でコントロールできるか。

例えば、

  • 出退勤時刻を自分で決められる
  • 遅刻・早退で減給されない
  • 労働時間の裁量が大きい

など、一般社員のような時間管理を受けていないことが重要です。


④ 賃金などの待遇

責任に見合った待遇がされているか。

例えば、

  • 基本給が高い
  • 管理職手当が十分支給されている
  • 賞与で優遇されている

など、一般社員より相応に優遇されている必要があります。


「名ばかり管理職」とは

肩書だけ管理職で、実態は一般社員と変わらない人を**「名ばかり管理職」**といいます。

このような場合は、管理監督者には該当せず、残業代などを支払わなければなりません。

特に、多店舗展開するコンビニや飲食店などの店長については、平成20年の通達で詳しい判断基準が示されています。


店長などで特に問題となるポイント

次のような事情があると、管理監督者性は否定されやすくなります。

人事権がない

  • アルバイトを採用できない
  • 解雇できない
  • 人事評価を行えない

労働時間の裁量がない

  • シフトどおり勤務するしかない
  • 遅刻すると減給される
  • 長時間労働を命じられている

部下と同じ働き方

  • 接客やレジ業務が中心
  • 一般従業員と同じシフトで働いている

待遇が低い

  • 管理職手当がわずかしかない
  • 年収が一般社員と変わらない
  • 時間単価がアルバイト並み、あるいは最低賃金を下回る

このような場合は、管理監督者とは認められない可能性が高くなります。

名ばかり管理職

 

肩書だけ管理職で、実態は一般社員と変わらない人を「名ばかり管理職」といいます。

このような場合は、管理監督者には該当せず、残業代などを支払わなければなりません。

特に、多店舗展開するコンビニや飲食店などの店長については、平成20年の通達で詳しい判断基準が示されています。


店長などで特に問題となるポイント

次のような事情があると、管理監督者性は否定されやすくなります。

 

人事権がない

  • アルバイトを採用できない
  • 解雇できない
  • 人事評価を行えない

 

労働時間の裁量がない

  • シフトどおり勤務するしかない
  • 遅刻すると減給される
  • 長時間労働を命じられている

 

部下と同じ働き方

  • 接客やレジ業務が中心
  • 一般従業員と同じシフトで働いている

待遇が低い

  • 管理職手当がわずかしかない
  • 年収が一般社員と変わらない
  • 時間単価がアルバイト並み、あるいは最低賃金を下回る

 

このような場合は、管理監督者とは認められない可能性が高くなります。

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