賠償予定の禁止

賠償予定の禁止

① 趣旨

労働者は使用者より立場が弱いため、

例えば、

  • 「3年以内に退職したら100万円支払う」
  • 「無断欠勤1回につき5万円支払う」

などの契約を認めると、

退職の自由が不当に制限されることになります。

そのため、

あらかじめ金額を決めておくことを禁止しています。


② 禁止されるもの

禁止されるのは、

損害賠償額を予定する契約

です。

つまり、

「○○したら○万円支払う」

という契約です。

実際の損害額とは関係なく、

一定額を支払わせる契約は禁止されます。


③ 禁止されないもの

一方、

現実に発生した損害について賠償請求すること

までは禁止されていません。

例えば、

労働者が故意または過失により会社の機械を壊した場合、

会社は

実際に生じた損害について

損害賠償請求をすることができます。


④ 民法との関係

民法420条1項では、

当事者は損害賠償額を予定することができる

とされています。

しかし、

労働契約では、

労基法16条が特別法

となるため、

民法の規定は適用されません。


⑤ 違反時期

ここも試験で狙われます。

違反となるのは、

実際に違約金を徴収した時ではありません。

契約を締結した時点

で違反になります。


⑥ 不法行為も含まれる

法16条は、

契約違反だけではありません。

例えば、

  • 機械を壊した
  • 車をぶつけた

など

労働者の不法行為について、

「壊したら50万円払う」

とあらかじめ決めることも禁止されます。


⑦ 具体例

× 禁止

「契約期間中に退職したら30万円支払う。」

金額を予定している

→ 法16条違反


× 禁止

「機械を壊したら50万円支払う。」

実際の損害に関係なく金額を予定

→ 法16条違反


○ 適法

「会社に損害を与えた場合は、実際に生じた損害を賠償する。」

金額は予定していない

→ 適法

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