強制貯金

ポイント

  • 強制貯蓄は禁止
  • 任意貯蓄は可能
  • 社内預金は「協定+届出+管理規程+最低0.5%の利子+管理状況報告」が必要
  • 通帳保管は届出・利子・管理状況報告は不要だが、管理規程の作成・周知は必要

 

目次

  1. 強制貯蓄契約の禁止
  2. 任意貯蓄金管理
    1. 「社内預金」と「通帳保管」
    2. 労使協定
    3. 貯蓄金管理規定
    4. 管理状況の報告
    5. 利子の付与

強制貯蓄契約の禁止

 

趣旨

使用者が雇用関係を利用して労働者に貯蓄を強制し、労働者の財産を拘束することを防止するための規定です。


禁止される行為(法18条1項)

使用者は、次のいずれも行ってはなりません。

労働契約に付随して貯蓄契約をさせること

労働契約に付随して貯蓄金を管理する契約をすること

「労働契約に付随して」は②にもかかると解されています。
(昭和25年9月28日基収2048号)


強制貯蓄契約の例

  • 労働契約で一定額の貯蓄を義務付ける
  • 貯蓄契約を採用条件とする
  • 貯蓄契約をしなければ解雇するとする

「貯蓄金」とは

退職積立金など名称を問わず、

労働者のお金を使用者が預かって管理するもの

であれば「貯蓄金」に該当します。

任意貯蓄金管理

労働契約とは無関係に、

労働者が自ら希望して管理を委託する場合

は禁止されません。

ただし厳しい規制があります。

「社内預金」と「通帳保管」

 

項目 社内預金 通帳保管
内容 使用者が預金を受け入れる 銀行預金の通帳・印鑑を保管
労使協定 必要 必要
監督署への届出 必要 不要
管理規程 必要 必要
利子 最低年0.5% 不要
管理状況報告 必要 不要

 

※労使協定自体は両方必要ですが、施行規則で締結事項が定められているのは社内預金のみです。


社内預金で必要なもの

 

① 貯蓄金管理協定(労使協定)

記載事項(則5条の2)

  • 預金者の範囲
  • 預金限度額
  • 利率・計算方法
  • 払戻手続
  • 保全方法

労働基準監督署へ届出

労働者へ周知(法106条)


② 貯蓄金管理規程

監督署への届出は不要

労働者へ周知する。


社内預金の管理規程

労使協定事項に加え、

具体的な運用方法を定める。


通帳保管の管理規程

  • 金融機関名
  • 預金種類
  • 通帳保管方法
  • 払戻し手続

管理状況の報告(社内預金のみ)

毎年 4月30日まで

前年4月1日~3月31日の管理状況を

労働基準監督署へ報告する。

利子の付与

社内預金は、最低利率年5厘(年利0.5%)の利子をつけなければならない。

(法18条4項、労働基準法第18条第4項の規定に基づき使用者が労働者の預金を受け入れる場合の利率を定める省令)

令和8年4月から適用される下限利率も、引き続き年5厘(0.5%)である。

なお、社内預金の下限利率は固定ではなく、毎年(必要に応じて年度途中も)厚生労働省が定期預金平均利率を基に見直します。 しかし、令和8年4月から適用される利率についても変更はなく、引き続き年0.5%となっています。

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