① 解雇権濫用法理の条文(労働契約法)
使用者は自由に労働者を解雇できるわけではありません。
労働契約法では、客観的な理由がなく、社会通念上相当でない解雇は無効とされています。
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
解雇には
の両方が必要です。
どちらか一方でも欠ければ解雇は無効になります。
労働契約法16条に違反した場合:
→ 最初から解雇していない扱いになります
つまり、
違法解雇によって働けなかった期間についても、 使用者は賃金を支払う義務があります。
民法536条2項が根拠になります。
債務者の責めに帰すべき事由によって履行することができなくなったときは、
債権者は、反対給付を受ける権利を失わない。
数ヶ月〜数年分の給与支払いになることもあります
労働者は:
判決で「まだ従業員」と認定される
場合によっては
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、
これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
慰謝料などの損害賠償責任を負うことがあります。
ここが重要な理解ポイントです。
労働契約法16条には 罰金・懲役などの規定は存在しません
理由はシンプルです:
労働契約法は「私人間の契約ルール」だから
解雇そのものではなく、周辺行為で罰則が出る場合があります。
30日前予告 又は
30日分以上の解雇予告手当
が必要です。
違反すると
労基法120条の罰則があります。
6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金
予告なし解雇などで適用される
※ただし「解雇権濫用」とは別問題
→ 刑事責任に発展する可能性あり
■ 解雇権濫用法理違反の本質
→ 「罰せられる」のではなく「無効になる」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 罰則 | 原則なし |
| 効果 | 解雇無効 |
| 賃金 | 全額支払い義務 |
| その他 | 慰謝料の可能性 |
企業側にとっては:
刑事罰がない代わりに、経済的制裁が極めて重い制度
契約期間中の解雇労働契約法17条
有期労働契約では、
契約期間中は
やむを得ない事由
がある場合でなければ解雇できません。
使用者は、有期労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。
厚生労働省通達では、
この要件は
労働契約法16条の
解雇権濫用法理よりも
さらに厳しいとされています。(平成24年8月10日基発0810第2号) つまり、
有期契約の途中解雇は
通常の解雇より認められにくくなります。
労働契約法17条は
「解雇できない」
ことを定めた規定です。
実際に途中解除を行う法的根拠は、
民法628条となります。
民法628条
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
解雇制限(労基法19条)
使用者は、
一定期間中、
労働者を解雇できません。
療養のため休業する期間 + その後30日間
解雇禁止
産前産後休業期間 + その後30日間
解雇禁止
など 法19条ただし書
有期契約は、
契約期間が満了すれば終了します。
そのため、
療養中や産前産後休業中であっても、
契約期間満了による終了 には
労基法19条は適用されません。(昭和63年3月14日基発150号)
育児休業・介護休業中は、
労基法19条ではなく、
育児・介護休業法によって保護されています。
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