衛生委員会

事業者は、業種を問わず、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、衛生委員会を設置しなければなりません。(令9条)

衛生委員会の3つのポイント

① 常時50人以上 → 衛生委員会を設置
業種を問わず、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに設置が必要です。

② 毎月1回以上 → 委員会を開催
衛生委員会は、毎月1回以上開催しなければなりません。

③ 議長以外の委員の半数 → 労働者側の推薦
議長を除く委員の半数は、過半数労働組合または労働者の過半数代表者の推薦に基づいて、事業者が指名します。

 

目 次

  1. 調査審議事項
  2. 委員会の構成
  3. 安全衛生委員会
  4. 開催頻度

調査審議事項

事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、衛生委員会を設け、次の事項について調査審議させなければなりません。(法18条1項)

  主な調査審議事項
1 労働者の健康障害を防止するための基本的な対策
2 労働者の健康の保持増進を図るための基本的な対策
3 労働災害の原因および再発防止対策のうち、衛生に関する事項
4 その他、労働者の健康障害の防止および健康の保持増進に関する重要事項

4の「その他の重要事項」については、則22条で具体的に定められています。


具体的な調査審議事項

 

1.衛生に関する規程

衛生に関する規程の作成について調査審議します。(則22条1号)

 

2.リスクアセスメント

法28条の2第1項または法57条の3第1項・第2項に基づく、

  • 危険性または有害性等の調査
  • その結果に基づいて講ずる措置

のうち、衛生に関する事項を調査審議します。(2号)

いわゆるリスクアセスメントに関する事項です。

 

3.安全衛生計画

安全衛生に関する計画のうち、衛生に係る部分について、

  • 作成
  • 実施
  • 評価
  • 改善

を調査審議します。(3号)

 

4.衛生教育

衛生教育の実施計画の作成について調査審議します。(4号)

 

5.新規化学物質等

新規化学物質等について、

  • 有害性の調査
  • 調査結果に基づく対策

を調査審議します。(5号)

 

6.作業環境測定

作業環境測定の結果およびその評価に基づく対策の樹立について調査審議します。(6号)

 

7.健康診断

次の健康診断等の結果およびその結果に基づく対策について調査審議します。(7号)

  • 定期健康診断
  • 法66条4項の指示による臨時健康診断
  • 法66条の2による労働者が自ら受けた健康診断
  • その他法令に基づく医師による診断、診察または処置

ただし、ここでいう「健康診断の結果」とは、職場全体の健康管理対策に活用できる内容を意味します。

個々の労働者の具体的な健康診断結果を衛生委員会で取り扱う趣旨ではありません。(昭和47年9月18日基発601号の1)

 

8.健康保持増進措置

労働者の健康の保持増進を図るために必要な措置の実施計画について調査審議します。(8号)

9.長時間労働対策

長時間労働による健康障害を防止するための対策について調査審議します。(9号)

例えば、

  • 長時間労働者の把握
  • 医師による面接指導
  • 労働時間の削減
  • 業務負担の見直し

などが重要になります。

 

10.メンタルヘルス対策

労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策について調査審議します。(10号)

 

11.化学物質によるばく露対策

則577条の2に基づく、

  • ばく露の程度を低減するための措置
  • 医師または歯科医師による健康診断

などについて調査審議します。(11号)

 

12.行政機関からの指導等

次の行政機関等から、文書による命令、指示、勧告または指導を受けた事項のうち、労働者の健康障害の防止に関するものについて調査審議します。(12号)

  • 厚生労働大臣
  • 都道府県労働局長
  • 労働基準監督署長
  • 労働基準監督官
  • 労働衛生専門官

産業医の選任そのものは調査審議事項ではない

衛生委員会では、産業医から健康管理上の意見を受けることはありますが、

「誰を産業医として選任するか」そのものは、衛生委員会の法定の調査審議事項には含まれていません。

委員会の構成

衛生委員会は、次の委員によって構成します。(法18条2項)

区分 委員
1 総括安全衛生管理者または事業の実施を統括管理する者等のうち、事業者が指名した者
2 衛生管理者のうちから事業者が指名した者
3 産業医のうちから事業者が指名した者
4 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有する者のうちから事業者が指名した者

議長は1号委員

1号の委員、すなわち、

  • 総括安全衛生管理者
  • 事業の実施を統括管理する者
  • これに準ずる者

の中から事業者が指名した者は、1人とされています。

この1号委員が原則として衛生委員会の議長となります。

ただし、労働者の過半数で組織する労働組合との労働協約に別段の定めがある場合は、この限りではありません。(法18条2項ただし書、4項)


議長以外の委員の半数は労働者側の推薦が必要

衛生委員会では、事業者側だけで委員を決めることはできません。

1号委員である議長を除く委員の半数については、

 

過半数労働組合がある場合

その労働組合の推薦

 

過半数労働組合がない場合

労働者の過半数を代表する者の推薦

に基づいて、事業者が指名しなければなりません。(法18条4項)

つまり、

議長以外の委員について、半数は労働者側の推薦を受けた者にする

という仕組みです。

ただし、過半数労働組合との労働協約に別段の定めがある場合は、この限りではありません。


作業環境測定士を委員にすることもできる

事業者は、その事業場の労働者であり、かつ作業環境測定を実施している作業環境測定士を、衛生委員会の委員として指名することができます。(法18条3項)

これは必須ではなく、任意で追加することができる委員です。

安全衛生委員会

 

事業場によっては、

  • 安全委員会
  • 衛生委員会

の両方を設置しなければならない場合があります。

この場合、事業者はそれぞれの委員会を別々に設置する代わりに、両者を一本化した安全衛生委員会を設置することができます。(法19条1項)

安全衛生委員会を設置した場合は、安全委員会と衛生委員会の双方の調査審議事項を取り扱います。

開催頻度

事業者は、

  • 安全委員会
  • 衛生委員会
  • 安全衛生委員会

を、毎月1回以上開催するようにしなければなりません。(則23条1項)

したがって、

「50人以上になったので衛生委員会を設置したが、年に数回しか開催していない」

という運用では不十分です。

原則として、毎月1回以上の開催が必要になります。

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