解雇予告の例外・適用除外

天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合

 

天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合には、原則として、解雇予告または解雇予告手当の支払いを要しない
(法20条1項ただし書)

この場合、その事由について、所轄労働基準監督署長の認定を受けなければならない。(法20条3項、則7条)

 

やむを得ない事由 やむを得ない事由に該当しないもの
  1.  事業場が火災により焼失した場合(事業主の故意または重大な過失に基づく場合を除く)
  2.  震災に伴う工場などの倒壊類焼などにより事業の継続が不可能となった場合
  1.  税金の滞納処分を受け事業廃止に至った場合
  2.  従来の取引事業場が休業状態となり、発注品なく事業が金融難に陥った場合
  3.  単なる事業の廃止

この認定事由及び認定基準については法19条の解雇制限の場合と基本的に同一です。(昭和63年3月14日基発150号)

労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合

 

労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合には、原則として、解雇予告または解雇予告手当の支払いを要しない。(法20条1項ただし書)

この場合には、その事由について、所轄労働基準監督署長の認定を受けなければならない。(法20条3項、則7条)

労働者の責に帰すべき事由には次のようなものがある。(昭和23年11月11日基発1637号、昭和31年3月1日基発111号)

 

労働者の責に帰すべき事由に該当するもの
  1.  極めて軽微なものを除き、事業場内における盗取横領傷害など刑法犯に該当する行為のあった場合
  2.  賭博、風紀紊乱(ふうきびんらん)などにより職場規律を乱し他の労働者に悪影響を及ぼす場合
  3.  雇入れの際の採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合
  4.  出勤不良や、度重なる欠勤・遅刻などがあり、注意指導しても改善が見られない場合 

労働者の帰責性が軽微なとき原則として使用者は解雇予告及び解雇予告手当の支払いをしなければなりません

解雇予告の規定が適用除外となる労働者について

 

法21条 解雇予告が適用除外される者 解雇予告が必要となる者
1号 日日雇い入れられる者 1ヶ月を超えて引き続き使用されるに至った場合
2号 2か月以内の期間を定めて使用される者 所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合
3 季節的業務4カ月以内の期間を定めて使用される者 所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合
4 試用期間中の者 14日を超えて引き続き使用されるに至った場合

試用期間とは

 

試用期間とは、労働者の適性・能力・勤務態度等を見極めるために設けられた期間であり、法的には「解約権留保付雇用契約」と解されるのが原則です。

法律上は明確な定義条文があるわけではありませんが、判例では次のように理解されています。

 


 

■ 判例の考え方(重要ポイント)

 

判例は、試用期間の法的性質について次のように判断しています。

 

① 試用期間かどうかは実態で判断される

 

形式ではなく、

  • 試用期間中の労働者が
    → 本採用者と同じ職場・同じ職務に従事しているか
  • 使用者の取扱いに差があるか
  • 試用期間満了時に改めて契約締結(本採用手続)があるか

といった事情を総合考慮します。

そのうえで、 特段の事情がない限り、試用期間は「解約権留保付雇用契約」と解するのが相当 とされています。

 


 

② 解約権留保付雇用契約とは何か

 

これは、 一応は雇用契約が成立しているが、企業側に解約権(本採用拒否権)を留保している契約 を意味します。

 


 

③ 本採用拒否(解約)の基準

 

判例はさらに重要な基準を示しています。

  • 解約権の行使は 客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合に限り許される
  • ただし通常の解雇と比べると より広い範囲で解約の自由は認められる

一方で、 試用期間満了=自動終了ではない ため、

  • 本採用を拒否する場合 = 留保解約権の適法な行使が必要

とされています。

 


 

■ 労基法との関係(14日ルール)

 

  • 試用開始から14日以内
    → 解雇予告不要
  • 14日経過後
    → 解雇予告制度が適用

したがって、 試用期間が長期(3か月・6か月)でも、14日を超えれば通常の解雇ルールが適用される 点は重要です。

 


 

■ まとめ

 

試用期間とは、

  • 実態としては 解約権留保付雇用契約
  • 労働者は既に雇用されている
  • 企業には本採用拒否の余地があるが
    • 客観的合理性+社会通念上相当性が必要
  • 通常解雇よりは広く認められるが無制限ではない
  • 14日経過後は解雇予告制度が適用される

試用期間中の者

試用期間中の者には解雇予告の規定は適用されないが、14日を超えて引き続き使用されるに至った場合には、解雇予告が必要となる。(法21条4号)

 

14日を超える試用期間

試用期間は、就業規則などでこれを自由に例えば3か月あるいは6か月定めることができるが、そのような長期の試用期間の定めがあっても、14日を超えて引き続き使用されるに至った場合は解雇予告制度が適用される。(昭和24年5月14日基収1498号)

 

解雇のルール

 

解雇を検討している労働者
① 業務上傷病による療養中+30日 期間中 ② 産前産後の休業中+30日 期間中 ③ ①②以外
打切補償支払い済か YES ⇨

※ 2

NO ⇓    ※ 1 ※ 2
療養開始3年間 + 年金受給 YES ⇨ ※ 2  
NO ⇓  
※ 1 事業継続不可能 + 認定 NO ⇨ 期間後に解雇しうる ⇨ ※ 3
YES ⇓  
※ 2 (解雇制限期間中でも) 解雇しうる
※ 3 解雇予告適用除外者か?
YES ⇓ NO ⇓
※ 4 原則 解雇予告必要
  事業継続不可能 + 認定 労働者の責 + 認定
YES ⇓ YES ⇓
※ 4 即時解雇できる (解雇予告不要)

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