特別支給金と保険給付との比較

特別支給金は、労働者災害補償保険法29条の「社会復帰促進等事業」の一環として、保険給付に上乗せして支給されます。
労災保険では、9種類の特別支給金があり、労災による病気やケガなどが一定の条件に該当する場合には、それぞれの状況に応じて、法令で決められた金額の特別支給金を受給することができます。

 

目 次

  1. 特別支給金の通則事項
  2. 相違点
  3. 類似点

特別支給金の通則事項

  • 特別支給金の申請期限は次の通りである。(特別支給金則3条6項他)
特別支給金 起算日 申請期限
休業特別支給金  休業特別支給金の支給の対象となる日の翌日から起算して 2年以内
傷病特別支給金  療養開始後1年6箇月経過日又は同日後支給要件に該当することとなった日の翌日 5年以内
障害特別支給金  傷病が治ゆした日の翌日 5年以内
遺族特別支給金  死亡日の翌日 5年以内
傷病特別年金  傷病補償年金の受給権者となった日の翌日 5年以内
障害特別年金  障害補償年金の受給権者となった日の翌日 5年以内
障害特別一時金 障害補償一時金の受給権者となった日の翌日 5年以内
障害特別年金差額一時金  障害補償年金差額一時金の受給権者となった日の翌日 5年以内
遺族特別年金  遺族補償年金の受給権者となった日の翌日 5年以内
遺族特別一時金  遺族補償一時金の受給権者となった日の翌日 5年以内

特別支給金については、「申請期限が定められています

 

申請期限

区分 申請期限
休業特別支給金 2年以内
休業特別支給金以外 5年以内

 

相違点

 

    特別給付金の取扱い 保険給付の取扱い
1 事業主からの費用徴収 事業主からの費用徴収は行われない
(したがって、故意または重大な過失による「保険関係成立届の未提出期間中の災害」や「一般保険料滞納期間中の災害」や「事業主の故意または重大な過失による災害」であっても、事業主からの費用徴収は行われない)
あり
2 不正受給者からの費用徴収 不正受給者からの費用徴収は行われない(この場合、不当利得として民事上の手続きにより返還を求めることとなる)。 あり
3 第三者行為災害による損害賠償との調整 第三者行為災害の場合、第三者から損害賠償を受けたときであっても損害賠償と調整されない あり
4 事業行為災害による損害賠償との調整 事業主行為災害の場合、事業主から損害賠償を受けたときであっても損害賠償と調整されない あり
5 社会保険との併給調整 社会保険の給付との調整は行われない あり
6 譲渡・差押え 特別支給金を受ける権利は、譲り渡し差し押さえの対象となる。 禁止
7 法38条1項による不服申立て 特別支給金に関する決定は、労審法による不服申立ての対象とはならないため、労働者災害補償保険審査官に審査請求することはできない あり
判例(最判平8・2・23民集五〇・二・二四九〈コック食品事件〉

政府が被災労働者に支給する特別支給金の支給は、社会復帰促進等事業の一環として、被災労働者の療養生活の援護等によりその福祉の増進を図るために行われるものである。使用者又は第三者の損害賠償義務の履行と特別支給金の支給との関係について、保険給付の場合における損害賠償義務の履行との関係についての調整規定と同趣旨の定めはない。このような保険給付と特別支給金との差異を考慮すると、特別支給金被災労働者の損害をてん補する性質を有するということはできず、したがって、被災労働者が労災保険から受領した特別支給金、使用者または第三者が被災労働者に対し損害賠償すべき損害額から控除することはできないというべきである。

特別支給金の性格災害補償そのものではなく

  • 休業特別支給金にあっては療養生活援護金の色彩
  • 障害特別支給金にあっては治ゆ後への生活転換援護金の色彩
  • 遺族特別支給金にあっては遺族見舞金の色彩が

それぞれ濃いといわれています

類似点

 

1 労働者の故意または故意の犯罪行為重大な過失などにより、保険給付について支給制限を受ける場合は、特別支給金についても支給制限が行われる
2 保険給付の支払いが一時差し止められた場合には、年金たる特別支給金も同様に一時差し止められる
3 年金たる特別支給金に係る端数処理支払時期などは、年金たる保険給付と同様である
(したがって、年金たる特別支給金の支払金額に1円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てることとなる)
4 未支給の年金たる保険給付を受けることができる者は、未支給の特別支給金を申請することができる(この場合、その支給を受けるべき順位は、未支給の保険給付の例による。未支給の特別支給の支給申請は、未支給の保険給付の請求と同時に行わなければならない)。
5 特別支給金は、所得税法における非課税所得に該当するものとして、現在、実務上は所得税及び地方税の免除を受けることとなっているため、非課税扱いとされている。
6 特別支給金は、保険給付と同様に、退職による受給権の変更はない

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