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ソリューション行政書士法人
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労働基準法19条の解雇制限は、労働者を保護するための非常に強い規制です。
原則として、
療養のため休業する期間+30日間
は解雇できません。
ただし、
には、解雇制限が解除されます。
産前産後の休業期間+30日間
も解雇できません。
ただし、産前産後については打切補償という制度はないため、
天災事変その他やむを得ない事由によって事業継続が不可能となり、労基署長の認定を受けた場合
に限って、解雇制限が解除されます。
また、
「労働者の責に帰すべき事由」があるだけでは、労働基準法19条の解雇制限は解除されません。
この点は、労働基準法20条の「解雇予告除外認定」と混同しないことが重要です。
目次
労働基準法19条1項は、
について、原則として使用者による解雇を禁止しています。
ただし、次の場合には、この解雇制限は解除されます。
なお、2の場合には、その事由について、所轄労働基準監督署長の認定を受けなければなりません。(法19条2項、則7条)
使用者が労働基準法81条による打切補償を支払った場合には、業務上の傷病についての解雇制限が解除されます。(法19条1項ただし書)
業務上の負傷または疾病により療養している労働者について、
療養開始後3年を経過してもなお治ゆしない場合
に、使用者が
平均賃金の1,200日分
を支払うことによって、その後の療養補償、休業補償など、労働基準法上の災害補償義務を打ち切る制度です。
したがって、
業務上傷病による休業期間+30日間
という本来の解雇制限期間中であっても、療養開始後3年を経過し、打切補償を支払った場合には、解雇制限が解除され、労働者を解雇することができます。
打切補償による解雇制限の解除は、あくまで業務上の負傷・疾病についての制度です。
したがって、
産前産後の女性については、打切補償を支払うことによって解雇制限を解除することはできません。
産前産後の解雇制限を解除できるのは、
天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
に限られます。
解雇制限期間中に、労働者について重大な非違行為などの
労働者の責に帰すべき事由
が判明しても、それだけを理由にその者を解雇制限期間中には解雇してはならない。(昭和24年11月11日基収3806号)
つまり、労働基準法19条1項ただし書の例外、
に該当しない限り、
たとえ労働者側に解雇相当の重大な事情があったとしても、解雇制限期間中は解雇できない
ということです。
解雇制限は、産前産後の女性の生命・健康を保護し、また、業務上の傷病によって療養中の労働者が安心して治療に専念できるよう、最低限の生活と雇用上の地位を保障するために設けられた強行規定だからです。
ここは特に重要です。
労働基準法19条の解雇制限と、労働基準法20条の解雇予告は別の制度です。
たとえば、
労働者の責に帰すべき事由
があり、労働基準監督署長から解雇予告除外認定を受けたとしても、それによって労働基準法19条の解雇制限まで解除されるわけではありません。
| 解雇制限を解除する事由 | 労基署長の認定 | |
| 法19条 | 打切補償 | 不要 |
| 法19条 | 天災事変その他やむを得ない事由による事業継続不能 | 必要 |
| 法20条 | 天災事変その他やむを得ない事由による事業継続不能 | 必要 |
| 法20条 | 労働者の責に帰すべき事由 | 必要 |
したがって、
「労働者の責に帰すべき事由がある=解雇制限期間中でも即時解雇できる」
というわけではありません。
労働基準法19条が禁止しているのは、使用者による「解雇」です。
そのため、有期労働契約が契約期間の満了によって終了する場合には、原則として労働基準法19条の適用はありません。(昭和63年3月14日基発150号)
労働契約は、他に契約期間満了後引続き雇用関係が更新されたと認められる事実がない限りその期間満了とともに終了します。
したがって、業務上の負傷・疾病により療養のため休業している期間中であっても、
有期労働契約そのものが期間満了を迎えた場合には、その期間満了によって労働契約は終了する
のが原則です。
期間満了は「解雇」ではないためです。
| ケース | 結論 | 理由 |
| 有期労働契約の満了日が解雇制限期間中に到来した | 原則として契約終了 | 期間満了は「解雇」ではない |
| 解雇制限期間中に労働者の責に帰すべき事由が判明した | 解雇制限期間中は解雇できない | 法19条の解雇制限が優先 |
天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
には、労働基準法19条の解雇制限が解除されます。(法19条1項ただし書)
この例外は、
の双方に適用されます。
ただし、この場合には、
所轄労働基準監督署長の認定
を受けなければなりません。(法19条2項、則7条)
天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能となった場合には、労働基準法20条の
30日前の解雇予告または解雇予告手当
についても例外となります。(法20条1項ただし書)
この場合も、
所轄労働基準監督署長の認定
を受けなければなりません。(法20条3項、則7条)
つまり、同じ「天災事変その他やむを得ない事由による事業継続不能」であっても、
というそれぞれ別の規制について、認定が問題となります。
労働基準法19条および20条に基づく認定は、
原則として解雇の意思表示をする前に受けるべきもの
とされています。
もっとも、これらの認定は、法定の事実が存在するかどうかを確認する性質の処分です。
そのため、実際に認定されるべき事実が存在している場合には、即時解雇の意思表示をした後に認定を受けたとしても、
解雇の効力は、使用者が即時解雇の意思表示をした日に発生する
と解されています。
ただし、
使用者が認定申請を遅らせること自体は、法19条または法20条違反となります。
「やむを得ない事由」とは、
天災事変に準ずる程度の不可抗力に基づく、突発的な事由
を意味します。
事業経営者として社会通念上採るべき必要な措置を尽くしても、通常どうすることもできないような状況であることが必要です。
また、
「やむを得ない事由」が存在するだけでは足りません。
その事由によって、
「事業の継続が不可能となったこと」
まで必要です。
逆に、事業の継続が不可能となった場合であっても、その原因が「やむを得ない事由」に当たらなければ、労働基準法19条1項ただし書には該当しません。
| 該当し得るもの | 原則として該当しないもの |
| 事業場が火災によって焼失し、事業継続が不可能となった場合 ※事業主の故意・重大な過失による場合を除く | 税金の滞納処分を受け、事業廃止に至った場合 |
| 震災による工場等の倒壊・類焼により事業継続が不可能となった場合 | 取引先が休業し、受注がなくなって資金難となった場合 |
| その他、不可抗力による突発的事由で事業継続が客観的に不可能となった場合 | 単なる経営上の理由による事業廃止 |
単なる経営不振、資金難、受注減少などは、通常、
「天災事変その他やむを得ない事由」には当たりません。
労災保険から傷病補償年金が支給されている場合には、一定の場合に、
打切補償を支払ったものとみなす
制度があります。
傷病補償年金は、打切補償以上に継続的かつ十分な補償を行う制度であることから、一定の要件を満たした場合には、使用者が実際に平均賃金1,200日分を支払わなくても、解雇制限を解除できる仕組みです。
業務上の負傷・疾病について、
療養開始後3年を経過した日に傷病補償年金を受けている場合
には、その日に、
打切補償を支払ったものとみなされます。
したがって、
療養開始後3年を経過した日から解雇制限が解除 されます。
療養開始後3年を経過した時点では傷病補償年金を受けていなかったものの、その後に傷病補償年金を受けることとなった場合には、
傷病補償年金を受けることとなった日に、打切補償を支払ったものとみなされます。
その結果、
その日から解雇制限が解除 されます。
重要なのは、
療養開始後3年が経過しただけで、自動的に解雇制限が解除されるわけではない
ということです。
療養開始後3年を経過したとしても、
のであれば、解雇制限は解除されません。
したがって、
休業補償給付を受け続けているだけの場合には、解雇制限は解除されません。
労災保険には、
があります。
労働者災害補償保険法19条による「打切補償を支払ったものとみなす」制度は、
労働基準法19条の「業務上傷病による解雇制限」との関係について設けられた制度 です。
したがって、対象となるのは、
業務災害に係る傷病補償年金 です。
通勤災害について支給される
傷病年金には、この解雇制限解除の仕組みは適用されません。
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