休憩

休憩については、まず

6時間超 → 45分以上
8時間超 → 1時間以上

と覚えます。

そして、休憩には、

「途中付与・一斉付与・自由利用」

という3つの原則があります。

このうち、一斉付与の原則には、

ケース 一斉付与
原則 必要
労使協定あり 不要
運輸交通業・商業・病院・飲食店等 不要
坑内労働 不要

という例外があります。

ただし、

一斉付与が不要=休憩そのものが不要

ではありません。

病院や飲食店などで交替制にできる場合でも、

必要な休憩時間はきちんと与える必要があります。

また、満18歳未満の年少者については、業種による一斉付与の特例が適用されない点にも注意が必要です。

 

目次

  1. 休憩の付与
  2. 休憩には「3つの原則」がある
    1. 途中付与の原則
    2. 一斉付与の原則
      1. 一斉付与の例外① 労使協定がある場合
      2. 一斉付与の例外② 一定の事業
      3. 一斉付与の例外③ 坑内労働
    3. 自由利用の原則
  3. 休憩に関する違反の罰則

休憩の付与

使用者は、労働時間が

の休憩時間を、労働時間の途中に与えなければなりません。(労働基準法34条1項)

 

必要な休憩時間

1日の労働時間 法律上必要な休憩時間
6時間以下 休憩付与義務なし
6時間超~8時間以下 45分以上
8時間超 1時間以上

ここでいう「6時間を超える」「8時間を超える」は、その言葉どおりです。

したがって、

ちょうど6時間勤務なら休憩なしでも労基法34条違反にはなりません。

また、

ちょうど8時間勤務であれば45分以上

で足ります。

1時間以上の休憩が必要になるのは、

労働時間が8時間を超えた場合

休憩には「3つの原則」がある

労働基準法34条では、休憩について大きく3つのルールを定めています。

原則 内容
途中付与の原則 労働時間の途中に与える
一斉付与の原則 原則として事業場の労働者に一斉に与える
自由利用の原則 休憩時間を労働者に自由に利用させる

法34条1項~3項に、それぞれ定められています。

途中付与の原則

休憩時間は、

「労働時間の途中」

に与えなければなりません。

したがって、例えば8時間を超えて働かせる場合に、

始業前に1時間遅く出勤させる あるいは

終業を1時間早める

というだけでは、法34条の休憩を与えたことにはなりません。

休憩は、

労働 → 休憩 → 労働

というように、労働時間の途中に入る必要があります。


災害等の場合でも休憩は必要

労働基準法33条では、災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある場合に、一定の要件の下で法定労働時間を延長したり、休日に労働させたりすることを認めています。

しかし、法33条が例外としているのは、

労働時間と休日の規制 です。

休憩について法34条を適用しないという規定ではありません。

したがって、災害その他避けることのできない事由によって長時間労働をさせる場合であっても、

法34条に基づく休憩は与える必要があります。

一斉付与の原則

休憩時間は、原則として、

事業場の労働者に一斉に与えなければなりません。(法34条2項)

例えば、

12時~13時
→ 全員休憩

という形が原則です。


一斉付与の例外

一斉に休憩を与えなくてもよい場合は、大きく次の3つに整理できます。

例外 労使協定
① 労使協定を締結した場合 必要
② 法令で定める一定の事業 不要
③ 坑内労働 不要

一斉付与の例外① 労使協定がある場合

 

使用者と労働者側との間で労使協定を締結した場合には、

休憩を一斉に与えず、交替で与えることができます。(法34条2項ただし書)

例えば、

Aグループ
12:00~13:00

Bグループ
13:00~14:00

というような交替休憩が可能になります。


労使協定に定める内容

労使協定では、

① 一斉に休憩を与えない労働者の範囲

および

② その労働者に対する休憩の与え方

を定めなければなりません。(則15条1項)

例えば、

営業部の労働者については、11時30分から14時までの間に交替で1時間の休憩を与える

といった内容です。

なお、この労使協定について、

労働基準監督署への届出は必要ありません。

36協定とは異なり、

締結すれば足りる労使協定 です。


テレワークの場合

テレワークを行う労働者についても、一斉付与の原則は原則として適用されます。

ただし、

労使協定を締結することによって、一斉付与の原則を適用しないことができます。(令和3年3月25日基発0325第2号・雇均発0325第3号)

つまり、

テレワークだから当然に一斉休憩が不要

というわけではありません。

一斉付与の例外② 一定の事業

 

次の事業については、労働基準法40条・施行規則31条によって、

労使協定を締結しなくても、一斉に休憩を与える必要がありません。

 

事業 具体例
運輸交通業 道路運送、鉄道、航空など
商業 スーパーマーケット、小売店、理容業など
金融・広告業 銀行、保険、広告など
映画・演劇業 映画館、劇場など
通信業 郵便、信書便、電気通信など
保健衛生業 病院、診療所など
接客娯楽業 旅館、飲食店、娯楽施設など
官公署 一定の官公署の事業

これらの事業は、公衆を直接相手とする業態であり、全員が同時に休憩すると業務に支障が生じやすいため、

労使協定がなくても交替休憩を行うことが認められています。

例えば、病院で、

12時になったから医師・看護師・受付職員が全員同時に休憩する

ということでは業務を継続できません。

そのため、

交替で休憩を取ることが可能

となっています。


「一斉付与」の例外であって、「休憩不要」ではない

ここは特に重要です。

病院、飲食店、スーパーマーケットなどについて例外となるのは、

「一斉に休憩を与える義務」だけ です。

したがって、

病院だから休憩を与えなくてよい

飲食店だから8時間超働いても休憩なしでよい

ということではありません。

労働時間が8時間を超えるのであれば、

1時間以上の休憩そのものは必要 です。

変わるのは、

全員に同時に与えなくてもよい

という点だけです。


年少者には注意

満18歳未満の年少者については、さらに注意が必要です。

労働基準法60条は、年少者について、

法40条を適用しない

としています。

そのため、例えば、

  • 病院
  • 飲食店
  • スーパーマーケット

など、通常であれば施行規則31条によって一斉休憩が不要となる事業であっても、

満18歳未満の労働者には、この業種による特例を適用することができません。

したがって、年少者について一斉に休憩を与えないのであれば、

法34条2項ただし書による労使協定

を締結する必要があります。

つまり、

一般労働者
病院・飲食店等 → 労使協定なしでも交替休憩OK

一方、

満18歳未満
病院・飲食店等でも → 業種だけを理由に交替休憩にはできない

という違いがあります。

一斉付与の例外③ 坑内労働

坑内労働については、さらに特殊な取扱いがあります。

労働基準法38条2項では、

坑口に入った時刻から坑口を出た時刻までを、休憩時間を含めて労働時間とみなす

とされています。

そして、坑内労働については、

法34条2項の「一斉付与」 および

法34条3項の「自由利用」

の規定は適用されません。

したがって、坑内労働については、

労使協定がなくても休憩を一斉に与える必要はありません。

ただし、法34条1項そのものが適用されなくなるわけではないため、

必要な休憩時間を与えるという原則は残ります。

自由利用の原則

使用者は、休憩時間を

労働者に自由に利用させなければなりません。(法34条3項)

したがって、「休憩時間」とされていても、

  • 電話が鳴ったら対応する
  • 来客があれば受付をする
  • 店番をする
  • いつでも業務に戻れるよう待機する

ことを義務付けられているのであれば、

実質的には休憩時間ではなく、労働時間となる可能性があります。

厚生労働省も、休憩中に電話や来客対応を指示されている場合には、休憩ではなく労働時間になると説明しています。


「休憩室にいなければならない」だけなら?

自由利用の原則があるからといって、休憩時間中に会社が一切の制約を設けられないわけではありません。

例えば、事業場の規律保持上必要な合理的制限が認められる場合もあります。

ただし、

実質的に労働から解放されていること

が必要です。

休憩と称しながら、業務上の指示にいつでも対応しなければならない状態であれば、休憩とは評価されにくくなります。

休憩に関する違反の罰則

労働基準法34条に違反した場合には、

6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

の対象となります。(法119条1号)

したがって、

「忙しかったから休憩を取らせられなかった」

 

というだけでは、休憩付与義務を免れることはできません。

登録支援/有料職業紹介のご相談はこちら

 

お問い合わせはこちらから

芸術家×起業家

 

お     一般社団法人芸商橋
 

               BusinessArtBridge

 

サイト内検索

サイドメニュー

パソコン|モバイル