雇用保険法

離職理由による給付制限

雇用保険は、失業した人の生活の安定と早期再就職を支援する制度です。そのため、離職が本人の意思による場合や、本人の重大な非違行為による場合には、直ちに基本手当(注を支給するのではなく、待期期間の満了後、一定期間の給付制限が設けられています。

(注技能習得手当寄宿手当傷病手当高年齢求職者給付金特例一時金(一部を除く)にも準用

離職理由による給付制限の対象となるのは、次の2つの場合です。

  • 正当な理由がなく自己の都合により退職した場合(自己都合退職)
  • 自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された場合(重責解雇)

 

目 次

  1. 離職理由による給付制限
  2. 給付制限期間
  3. 給付制限に伴う受給期間の延長
給付通則、給付制限 
  1. 不正利得の返還命令など
  2. 就職拒否などによる給付制限
  3. 離職理由による給付制限 本ページ

給付制限期間

 

2025年4月1日以後に離職した場合の給付制限期間は、次のとおりです。

離職理由 給付制限期間
正当な理由のない自己都合退職 原則1か月
過去5年間に2回以上、正当な理由のない自己都合退職により給付制限を受けた場合 3か月
自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇 3か月

自己都合退職については、2025年4月の法改正により、原則として給付制限期間が2か月から1か月へ短縮されました。ただし、短期間に自己都合退職を繰り返した場合には、従来どおり3か月の給付制限となります。

 

給付制限が解除される場合

給付制限の対象者であっても、一定の場合には給付制限が解除されます。

例えば、

  • 公共職業安定所長の指示による公共職業訓練等を受講する場合
  • 離職日前1年以内に一定の教育訓練を修了している場合
  • 離職後に一定の教育訓練を受講する場合

には、法令で定める期間について給付制限は適用されません。

これは、職業能力の向上や早期再就職を促進するための特例です。

 

 

給付制限と受給期間

 

給付制限期間中は基本手当を受給できませんが、その期間が長くなることにより、本来受給できる基本手当を受け取れなくなることがないよう、一定の場合には受給期間が延長されます。

受給期間の延長が認められるかどうかは、

所定給付日数+給付制限期間+21日

を加えた期間が、原則である受給期間(1年所定給付日数が360日である受給資格者にあっては、1年に60日を加えた期間))を超えるかどうかによって決まります。

例えば、所定給付日数300日の受給資格者が3か月(92日)の給付制限を受けた場合は、

300日+92日+21日=413日

となり、413日が365日(1年)を48日超えるため、受給期間は48日延長されます。

離職理由による給付制限

被保険者自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、または正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合には、待期期間の満了後1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当は支給されない

(注技能習得手当寄宿手当傷病手当高年齢求職者給付金特例一時金(一部を除く)にも準用

 

ただし、次に掲げる受給資格者については、この限りでない(法33条1項、法36条3項、法37条5項、法37条の4第6項、法40条4項、法41条1項かっこ書)

1 公共職業安定所長の指示した「公共職業訓練等を受ける受給資格者
(2.に該当する者を除く)
公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わった日後の期間限る
2 教育訓練を基準日(=離職日前1年以内に受けたことがある受給資格者(正当な理由がなく自己の都合によって退職した者に限る  
3 2.に規定する「教育訓練を基準日(=離職日以後に受ける受給資格者
(正当な理由がなく自己の都合によって退職した者に限る。2.に該当する者を除く)
2.に規定する訓練を受ける期間及び当該訓練を受け終わった日後の期間限る
  • 離職期間中離職日前1年以内、「教育訓練を行った場合には給付制限が解除されます

給付制限期間

 

離職理由 給付制限(2025年4月1日以降の離職)
自己都合退職
(正当理由なし)
1か月  当該退職した日からさかのぼって5年間のうちに2回以上(離職日を基準とする)、正当な理由なく自己の都合により退職令和2年10月1日以後のものに限るし求職申込みをした者については、当該退職にかかる給付制限期間3か月となる。
自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇 3か月  

給付制限に伴う受給期間の延長

離職理由による給付制限が行われる場合には、当該給付制限期間7日を超え30日以下の範囲内で厚生労働省令で定める日数21日)及び当該受給資格に係る所定給付日数に相当する日数を加えた期間が1年所定給付日数が360日である受給資格者にあっては、1年に60日を加えた期間)を超えるときは、当該受給資格者の受給期間は、当該超える期間を加えた期間となる。(法33条3項、則48条の4)

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