特定受給資格者

「特定受給資格者」とは、会社の倒産や解雇など、会社側の都合で離職を余儀なくされた人を指します。雇用保険の基本手当(失業保険)の受給において、一般的な離職者よりも手厚い給付を受けられるというメリットがあります。

 

目 次

  1. 倒産などにより離職した者
  2. 解雇などにより離職した者
    1. 労働条件が相違した場合

 

倒産などにより離職した者

 

倒産などにより離職した者」とは、次のいずれかに該当する者をいう。(則34条、則35条)

則35条1号 倒産破産手続開始再生手続開始更生手続開始または特別清算開始の申立てまたは金融取引停止の原因となる不渡手形の発生の事実が生じたことをいう)に伴い離職した者 破産」、「会社更生のみならず、「民事再生に伴い離職した者も特定受給資格者に該当します
2号 事業所において、労働施策総合推進法の規定による離職に係る大量の雇用変動の届出大量離職届がされたため離職した者及び当該事業主に雇用される被保険者短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除くの数を3で除して得た数を超える被保険者が離職したため離職した者 人員整理により離職した被保険者数が、離職日の1年前の日の被保険者数の3分の1を超えたことにより離職した者は、特定受給資格者となります。
3号 事業所の廃止に伴い離職した者 事業所の廃止」には、当該事業所の事業活動が停止し、再開する見込みがない場合を含み、事業の期間が予定されている事業において当該期間が終了したことによるものは除かれています
4号 事業所の移転により、通勤することが困難となったため離職した者

適用事業所の移転について事業主より通知され(事業所移転の 1 年前以降の通知に限る)、事業所移転直後概ね3か月以内までに離職した場合が該当するものであり、この場合の「通勤することが困難となったため」とは、次のいずれかの場合をいいます。

  •  通常の交通機関を利用し、または自動車、自転車を用いるなど通常の方法により通勤するための往復所要期間(乗り継ぎ時間を含む)が概ね4時間以上であるとき
  •  被保険者が通勤に交通機関を利用すべきこととなる時間帯の便が悪く、通勤に著しい障害を与えるとき

 

解雇などにより離職した者

 

解雇などにより離職した者」とは、次のいずれかに該当する者をいう。(則36条)

1 解雇自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く 労働組合からの除名により当然解雇となる団体協約を結んでいる事業所において事業主に対し自己の責めに帰すべき重大な理由がないにもかかわらず組合から除名の処分を受けたことによって解雇された場合も該当します
2 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実著しく相違したこと。
  1. 被保険者が労働契約の締結に際し、採用条件が就職後の実際の労働条件と著しく相違した場合または
  2. 事業主が労働条件を変更したことにより

採用条件と実際の労働条件が著しく異なることとなったことを理由に、当該事由発生後1年を経過するまでの間に離職した場合が該当します。

著しい相違」とは、例えば次のような場合が該当します(賃金、時間外労働、就業場所など他に特定受給資格者に該当する基準が定められているものを除きます)。

  •  昼夜の交代制勤務がある事業所において、昼間の勤務を労働条件として明示の上、採用されたにもかかわらず、恒常的に概ね1か月以上交代制勤務または夜間勤務を命じられたような場合
  •  週休2日制を労働条件として明示の上、採用されたにもかかわらず、恒常的に概ね1か月以上毎週において休日が1日しか取れないような場合
  •  法定外の各種休暇制度を労働条件として明示の上、採用されたにもかかわらず、恒常的に数回以上当該休暇を請求しても与えられないような場合
  •  社会保険労働保険厚生年金及び健康保険への加入が採用条件として明示の上、採用されたにもかかわらず、加入手続きがされなかった場合
3 賃金退職手当を除くの額を3で除して得た額を上回る額が支払期日までに支払われなかったこと。

次のいずれかに該当する場合に適用があります。

  • 現実にその月(賃金月)中に支払われた額(何月分であるかを問わない)がその者の本来その月(賃金月)中に支払を受けるべき額の3分の2に満たない月があった場合
    • 賃金の額を3で除して得た額を上回る額が支払われなかったことが要件
  • 毎月きまって支払われるべき賃金の全額が所定の賃金支払日より遅れて支払われたという事実があった場合
 ただし、当該事実があった場合、これらの事実があった月から起算して1年以内に離職した場合が該当します。

 なお、当該事実があった場合においても、その後、通常の賃金支払の事実3か月以上継続した場合には該当しません

4 予期し得ず離職の日の属する月以後6か月のうちいずれかの月に支払われる賃金(毎月決まって定期的に支払われるもの)の額が当該月の前6か月のうちいずれかの月の賃金の額に100分の85を乗じて得た額を下回ると見込まれることとなったこと。  
5 予期し得ず、離職の日の属する月の6か月前から離職した日の属する月までのいずれかの月の賃金(毎月決まって定期的に支払われるもの)の額が当該月の前6か月のうちいずれかの月の賃金の額に100分の85を乗じて得た額を下回ったこと。  
6 離職の日の属する月の前6か月のうちいずれか連続した3か月以上の期間において労働基準法36条3項に規定する限度時間に相当する時間数を超えて、時間外労働及び休日労働が行われたこと。 「労働基準法36条3項に規定する限度時間に相当する時間数」とは1か月を単位とした延長時間の限度である45時間を指します。
7 離職の日の属する月の前6か月のうちいずれかの月において1か月当たり100時間以上時間外労働及び休日労働が行われたこと。  
8 離職の日の属する月の前6か月のうちいずれか連続した2か月以上の期間の時間外労働時間及び休日労働時間を平均し1か月当たり80時間を超えて時間外労働及び休日労働が行われたこと。  
9 事業主が危険または健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険または健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったこと。

 労働基準法労働安全衛生法などの労働者保護法令保安関係法令において、職業生活を継続する上で、危険または健康障害の生ずるおそれのある旨の法令違反について、所管の行政機関により改善に係る指摘がなされた事実があり、改善に係る指摘後、一定期間(概ね1か月程度を経過後においても当該法令違反に係る改善が行われていないことを理由に離職した場合が該当します。

 なお、労働災害により被害を受けたことにより離職した場合においては、改善に係る指摘の事実がない場合においても該当するものとされています。

10 事業主が法令に違反し、妊娠中若しくは出産後の労働者または子の養育若しくは家族の介護を行う労働者を就業させ、若しくはそれらの者の雇用の継続などを図るための制度の利用を不当に制限したことまたは妊娠したこと、出産したこと若しくはそれらの制度の利用の申出をし、若しくは利用をしたことなどを理由として不利益な取扱いをしたこと。 例えば、妊娠中の女性を坑内業務に就かせたこと(労働基準法64条の2第1号)、妊産婦を危険有害業務に就かせたこと(労働基準法64条の3第1項)、産後8週間を経過しない女性を就業させたこと(労働基準法65条2項)などが挙げられます。
11 事業主が労働者の職種転換などに際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないこと。
  • 例えば、採用時に特定の職種を遂行することが明示されていなかった者であって一定期間(10年以上同一の職種に就いていたものについて、職種転換に際し、事業主が十分な教育訓練を行わなかったことにより、労働者が専門の知識または技能を十分に発揮できる機会を失い新たな職種に適応することが困難な場合などが挙げられます。
  • 例えば、労働契約上、勤務場所が特定されていた場合に遠隔地(注に転勤(在籍出向を含む)を命じられた場合などが挙げられます。
    • (注)通常の交通機関を利用し、または自動車、自転車を用いるなど通常の方法により通勤するために、 概ね往復4時間以上要する場合
  • 例えば、家族的事情常時本人の介護を必要とする親族の疾病負傷などの事情がある場合をいう)を抱える労働者が、遠隔地(注)に転勤を命じられた場合などが挙げられます。
12 期間の定めのある労働契約更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないこととなったこと。 期間の定めがある労働契約1回以上更新され、雇用された時点から継続して3年以上雇用されている場合であり、かつ、労働契約の更新を労働者が希望していたにもかかわらず契約更新がなされなかった場合に離職した場合が該当します。
13 期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったこと。 期間の定めのある労働契約の締結に際し、当該契約を更新または延長する旨が明示されている場合であり、かつ、労働契約の更新を労働者が希望していたにもかかわらず契約更新がなされなかった場合に離職した場合が該当します。
14 事業主または当該事業主に雇用される労働者から就業環境が著しく害されるような言動を受けたこと。 上司同僚などの排斥または著しい冷遇若しくは嫌がらせ故意がある場合事業主がセクハラやマタハラなどの事実を把握していながら雇用管理上の必要な措置を講じなかった場合などが該当します。この場合の「雇用管理上の必要な措置を講じなかった」とは、事業主などに相談後、一定期間(概ね 1か月)においても、労働者の雇用継続を図る上での必要な改善措置(事業主による対象者に対する指導、配置転換などの措置)が講じられていない場合をいいます。
15 事業主から退職するよう勧奨を受けたこと。 企業整備における人員整理などに伴う退職勧奨など退職勧奨が事業主(または人事担当者)より行われ離職した場合などが該当します。
16 事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き3か月以上となったこと。 経済情勢の変動その他により正常な事業活動を継続することが困難となった場合に、一時的に全日休業し、労働基準法の規定により休業手当の支払が3か月以上連続していた場合が該当します。
17 事業所の業務法令に違反したこと。 事業所が法令違反の製品を製造し、あるいは販売するなど被保険者の就職当時に事業内容と相違し、または、その製品の製造、あるいは販売を禁止する法令が新たに公布されたにもかかわらず、従来どおりの製造、あるいは販売を継続しているなど、事業所の業務が法令に違反した場合であり、当該法令違反の事実を知った後3か月以内に離職した場合が該当します。

労働条件が相違した場合

 

採用条件 採用条件が就職後の実際の労働条件と著しく相違 特定受給資格者
労働条件の変更により採用条件が就職後の実際の労働条件と著しく相違 事由発生後1年を経過するまでの間の離職
事由発生後1年を経過した後の離職 特定理由離職者
手当が支払われなくなった場合等

所定給付日数(特定受給資格者)

特定受給資格者所定給付日数は次の通りである。(法22条1項、法23条1項)

算定基礎期間

1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満 90日 90 120日 180日
30歳以上35歳未満 90日 120日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 90日 150日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 90日 150日 180日 210日 240日

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