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ソリューション行政書士法人

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脱退一時金を納税管理人によって受け取る場合

 脱退一時金は、退職所得に該当します。 国内に恒久的施設(PE)を有しない非居住者が脱退一時金を受給する場合、受給額から20.42%の所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されます。この場合、非居住者は、その年中に支払を受ける退職手当等の総額を居住者として受けたものとみなして所得税を計算することを選択できます。選択することにより、脱退一 時金で源泉徴収された所得税の還付を受けることが可能となります。 もし、納税者が海外にいる場合には、実務上、日本で納税者の代わりに税務処理を 代行する納税管理人を定めて、その納税管理人が納税者の代わりに確定申告するのが 一般的です。

 

  1. 退職所得の範囲
  2. 非居住者の確定申告
  3. 納税管理人の届出
  4. 納税管理人の選任
    1. 納税管理人を定める
    2. 納税管理人の役割
    3. 国税の還付金等を受け取る場合
  5. 納税管理人の届出手続
  6. 確定申告書の提出期限
  7. 扶養控除の判定時期
  8. 個人住民税の納税管理人の選任

退職所得の範囲

 

退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与やこれらの性質を有する給与が該当します(所税30Ⅰ)。 脱退一時金は、退職所得として課税される「退職手当等とみなされる一時金」の1つです(所税31①、所税令72)

 

非居住者の確定申告

1 脱退一時金の源泉徴収

国内に恒久的施設(PE)を有するか否かにかかわらず、脱退一時金からは、20.42%の所得税及び復興特別所得税が源泉徴収され(所税161Ⅰ⑫ハ・212・213、復興財確法28)、通常はこの源泉徴収により課税は完結します(所税169・170)。

 

2 添付資料

脱退一時金の支給がある場合には、「厚生年金保険の脱退一時金支給決定通知書」が本人宛に送付されます。確定申告書を税務署に提出する際には、この「厚生年金保険の脱退一時金支給決定通知書」の原本又はその写しを添付資料として提出することになります(所税令297Ⅰ、所税規71)。

納税管理人の届出

個人である納税者が国内に住所及び居所を有せず、若しくは有しないこととなる場合又は国内に本店若しくは主たる事務所を有しない法人である納税者が国内に事務所若しくは事業所を有しないこととなる場合において、納税申告書の提出その他の国税に関する手続事項を処理する必要があるときは、納税管理人を選任し、納税者の納税地の所轄税務署長に届け出なければなりません

 

納税管理人の選任

1 納税管理人を定める

納税者が国内に住所及び居所を有せず、又は有しないこととなる場合において、納税申告書の提出その他の国税に関する事項を処理する必要があるときは、当該事項を 処理させるため、納税管理人を選任しなければなりません(税通117Ⅰ)。納税管理人は、 確定申告書の提出や税金の納付などの手続を納税者の代理として行う者をいいます。 納税管理人は、日本国内に住所又は居所を有する者である必要がありますが、法人でも納税管理人となることができます

2 納税管理人の役割

国税通則法第117条1項の「納税申告書の提出その他国税に関する事項」とは、次に掲げる事項(不服申立てに関する事項を除く。)をいうとされています(通基通(徴)117 ―2)。

⑴  国税に関する法令に基づく申告、申請、請求、届出その他書類の作成及び提出

⑵  税務署長等(その所属の職員を含む。⑶において同じ。)が納税者に対して発 する書類の受領及びその納税者に対するその書類の送付

⑶  納税者が税務署長等に対して提出する書類の受領及びその税務署長等に対するその書類の提出

⑷  国税の納付及び還付金等の受領

なお、納税管理人は、上記⑴から⑷までに掲げる事項の一部のみを処理(特定納税 管理人(税通117Ⅴ)によるものを除く。)することはできないと説明されています(通基 通(徴)117―2(注))。

納税管理人の定めがある場合には、申告書や通知書、督促状など税務署が発送する書類は、納税管理人の住所又は居所に送付されます(税通12Ⅰただし書)。納税管理人は 納税者の納税手続のために便宜を図る者であり、納税者の申告納税義務を負うわけではありません。日本で確定申告をする必要がある納税者が納税管理人を選任し、その 後確定申告期限までに申告・納付をしなかった場合でも、納税管理人が納税者の義務 を負わされ、罰則を受けるようなことはありません。

3 国税の還付金等を受け取る場合

納税者が確定申告をすることによって国税の還付を受けることとなった場合には、 その確定申告書に、還付を受ける金融機関の口座情報を記載します。還付を受けることができる金融機関は国税庁が指定した金融機関に限られ、海外の金融機関に送金することはできません。納税者が日本国内に指定金融機関の口座を有していないとき は、納税管理人の口座で還付を受けるのが一般的です。

納税管理人の届出手続

 

1 届出の提出

 

納税者が納税管理人を選任するときは、納税管理人に係る国税の納税地を所轄する 税務署長にその旨を届け出なければなりません(税通117Ⅱ)。納税管理人に係る国税の納税地とは、納税管理人の納税地ではなく、納税者本人の納税地を指し、納税者が国内に住所及び居所を有しなくなる場合(以下「国外転出」といいます。)には一般的には納税者の国外転出直前の住所地となります。

 

 

2 届出の記載事項

 

納税管理人の届出には、次の事項を記載します(税通令39Ⅰ)。

① 納税者の納税地…一般的には納税者が出国する直前の納税地

② 個人の納税者が日本国内に住所又は居所(事務所及び事業所を除きます。)を有しないこととなる場合には、日本国外における住所又は居所となるべき場所

③ 納税管理人の氏名及び住所又は居所

④ 納税管理人を定めた理由…例としては、国内に住所又は居所を有さないこととなるためなど

確定申告書の提出期限

 

年の途中で非居住者となった場合には、国外転出前に生じた一定の所得と、国外転出後に生じた国内源泉所得(源泉分離課税となるものを除きます。)を合計して、その年分の所得を申告します(所税102、所税令258、所基通165-1)。 居住者が、国外転出する前に納税管理人の届出をした場合には、 所得税法上は出国にはなりません。そのため、国外転出の時までに納税管理人の届出 をしたかどうかによって、確定申告書の提出期限が異なります。

 

 

  • 国外転出時までに納税管理人の届出書を提出した場合

 

納税者は、その年1月1日から出国する日までの間に生じた一定の所得及び国外転出からその年12月31日までの間に生じた国内源泉所得(源泉分離課税となるものを除きます。)について、その年の翌年2月16日から3月15日までの間に、納税管理人を通 して、納税者の納税地を所轄する税務署長に確定申告書を提出する必要があります(所税102・120・165・166、所基通165-1)。

扶養控除の判定時期

 

居住者が控除対象配偶者又は控除対象扶養親族(以下「控除対象扶養親族等」とい います。)を有する場合には、その年分の所得から一定の金額を控除することができま す(所税83・84)。控除対象扶養親族等の判定は、その年の12月31日の現況によりますが (所税85Ⅲ)、居住者が年の中途において出国した場合には、出国の時の現況により判 定することとなります(所基通85-1)。この場合の出国は所得税法上の出国をいいますので、居住者が国外転出前に納税管理人の届出書を提出した場合には、出国には該 当しないため、その年の12月31日の現況により控除対象扶養親族等の判定をすること となります。

 

個人住民税の納税管理人の選任

 

道府県民税及び市町村民税の納税義務者についても、その納税義務のある道府県及 び市町村内に住所、居所、事務所、事業所又は寮等を有しない場合には、納税管理人を定めて道府県長及び市町村長に申請してその承認を受けなければなりません(地税 28・300)。納税管理人を変更する場合においても同様です。 なお、道府県民税及び市町村民税に関しては、納税管理人について虚偽の申告をし たなどの場合の罰則規定が設けられています(地税301・302)。

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